ひまわりの除線の効果について

福島ひまわり里親プロジェクトでは
ひまわりによる土壌中の放射性物質の除去効果
いわゆる植物除線についての効果を確かめるために
福島県内の数ヶ所の畑で栽培試験を行いました。

福島ひまわり里親プロジェクト ブログ

比較対象区を設けたり
測定方法を統一するといった基本的なことが抜けていたりしますので
科学的なものであるとはいえない部分がありますが
それでも
ひまわりによる植物除線には一定の効果があることを確認することができました。

ひまわりの栽培方法は大きくわけて2つです。

① 表土を除去しないで耕うんを行った後の畑にひまわりを栽培したケース(福島市)
② 表土5cmを積み重ねた6分の1方式の除線花壇の中でひまわりを栽培したケース※1(須賀川市)

それぞれに土壌の表面汚染密度の測定と
ひまわりの各部位ごとの核種放射性元素測定を行いました。

①のケースは耕うん前(推測)の表土の表面汚染密度0.40Bq/c㎡が耕うん後に
表土の表面汚染密度0.22Bq/c㎡に変化(土壌中に放射性物質が拡散された状態)した畑で
ひまわり栽培後に
ひまわりを抜き取った土壌(深さ約10cm)の表面汚染密度は0.06Bq/c㎡となりました。

計測した部分は深さ約10cm付近だけですので
情報量が少なく正確とはいえないのですが
耕うんしたことで表面から土壌深さ約15cm付近まで平均的に放射性物質が拡散されたと仮定しますと
少なくとも深さ10cm付近の土壌は0.16Bq/c㎡ほど減少したことになります。

除線率=72.7%
総合減衰値= 0.16(Bq/c㎡)となりました。

②のケースについては以下の通りとなりました。

耕うんしていない表土5cmを剥離し積層し高さ30cmの花壇化しました。
花壇表面の表土の汚染密度は 3.01Bq/c㎡~2.01Bq/c㎡の間で推移しました。
平均値は2.54Bq/c㎡でした。
各層ごとに計測は行ないませんでしたが
表土から深さ30cmまでの平均も2.54Bq/c㎡と推測できます。

ひまわり栽培後に表土、深さ5cm、10cm、20cm、30cmの各層ごとに
表面汚染密度を測定いたしました。

花壇土壌表面 0.249Bq/c㎡
深さ5cm    0.311Bq/c㎡
深さ10cm 0.431Bq/c㎡
深さ20cm   0.611Bq/c㎡
深さ30cm   0.586Bq/c㎡

これらの平均値は0.44Bq/c㎡となりました。

栽培前2.54Bq/c㎡が栽培後に0.44Bq/c㎡となりました。

除線率=82.6%
総合減衰値=2.09(Bq/c㎡) となりました。

これらの数値を裏付けるように
それぞれに栽培したひまわりを第三者機関※2に分析していただいた結果
①と②で栽培したひまわりはセシウムを各部位に吸収していました。

①(福島市)
根・・220Bq/kg
茎・・ND
葉・・106Bq/kg
花・・ND

②(須賀川市)
根・・402Bq/kg
茎・・90Bq/kg
葉・・1066Bq/kg
花・・44Bq/kg

(検出限界値:10Bq/kg 数値は試料採取日に半減期補正した値です。)

これらの結果から導き出されることは
土壌中の放射性物質の数値は確実に下がっていることと
ひまわりが土壌中の放射性物質を吸い上げたということです。

そして
表土を削るという物理的な除線と
削り重ねた花壇で行う植物除線を組み合わせることで
効率良く除線が行えることがわかりました。

この2つを組み合わせるハイブリッド型除線の最大のメリットは
現地除線にあります。

その場所で行えるということです。

削りとった土を一時的に保管する場所の選定は非常に難しいところでありますが
その場その場で行う
現地除線はその保管場所の選定を行うまでもなく行えるので
スピーディーに行えるのではないでしょうか。

現在は秋・冬~春にかけての栽培にむいている菜の花による植物除線が
福島県内の一般家庭の庭さきなどで行われています。

その模様は後日ブログのなかでご紹介させていただきます。

※1 圃場・栽培試験・検体提供…ふくしま希望市場
※2 分析…山北調査設計㈱/㈱環境分析研究所 PDFファイル