6分の1理論

今日は「ふくしま希望市場 」に野菜を出荷されている農家さんから
福島の農地再生のヒントをたくさんいただきましたので
そのご報告をさせていただきます。

ふくしま希望市場では国の基準値よりも遥かに厳しい
50Bq/kg以上のものは出荷しないと独自に基準を設けて
より安全な農作物を全国のみなさまにお届けする活動をつづけていらっしゃいます。

(これまでに検査された結果はすべてND(不検出)のようです)

なぜそこまで厳しい基準のもとで野菜を出荷することができるのか
その理由は
畑にありました。

福島の農地は残念ながら放射性物質で汚染されてしまいましたが

耕うんしていない限り、そのほとんどが表土に残されたままです。

深さ1~2cmまでのところに90%ほどの放射性物質が堆積した状態です。

深さ5cmまでとなるとほぼ100%がその間に含まれているといわれています。

ふくしま希望市場に出荷されている農家さんたちは
まずはじめに表土の除去から取り組まれたそうです。

その理論が「6分の1理論」です。

畑を6区画に区切ります。

そのうちの1区画に残りの5区画のそれぞれ5cmまでの表土を積み上げます。

すると6分の1区画だけが汚染された状態の表土が30cm高さで均一に

積み上げられることになります。

表土5cmを取り除いた6分の5区画の畑では
放射性物質がほぼ取り除かれたことになります。

この畑ではこれまで通り耕作を始めることが可能となりました。

それと同時にこの6分の5区画では空間線量も下がり

結果として農作業中の被曝量を減らすことが可能となりました。

土壌が汚染されてない部分で作られる野菜は
そうではない畑で作られる野菜よりも安全であることは間違いないのではないでしょうか。

原発事故の前とほぼ同じ環境を作って野菜を作りながら
6分の1区画では除染が行われることになります。

まず6分の1区画の周囲に排水用の溝を作り

最終的に排水は一箇所に集約されるように勾配も作ります。

排水口にはゼオライトやパーライト、貝化石といった
放射性物質を吸着するとされる物質で作られたフィルターを専用のネットに入れて設置します。

そのうえで

6分の1区画には放射性物質を吸収しやすくて福島の気候にあった作物(夏はひまわり)を栽培します。

さらに通年して除染作物が栽培できるような仕掛けがあるのですが

ここではこれ以上詳しい内容は控えさせていただきます。

(除染システム)

そして根っこごと抜き取った作物は契約されている焼却処分場(専用フィルター装着済み)で処理することが
決まっているそうです。

やがて6分の1区画の30cmに積み上げられた土壌の浄化が完了し数値上問題無くなったたときは

6分の5区画に戻されることになります。

そして

もともとの6分の1区画の表土はそのままの汚染されたままの状態なのでその区画をさらに6分割して

そのなかから6分の5区画の表土を6分の1区画へ移して除染をつづける計画になっているようです。

これは3月の原発事故以降耕うんしていない畑で実用可能な仕組みとなっています。

すでに耕うんされている畑では

また別の方法があることを教えていただきました。

まずは土壌の汚染具合を測定し

汚染レベルに応じて

・そのまま耕作可能

・免染

・移行阻害+免染

・チェルノブイリ型除染

というやり方です。

具体的に・・

免染の技術は

実はある技術を今回の放射性物質で汚染された土壌に応用しているのですが

ふくしま希望市場に出荷されている農家のみなさま以外にこの技術を持っているところを
私は知りません。

移行阻害とはゼオライトなどの放射性物質を吸着しやすり物質を土壌中に取り組むことで
野菜が根から吸収することを阻害する働きを活用したものです。

チェルノブイリ型除染は高濃度で汚染されていて
表土除去も実用的でなく、かつ野菜を栽培しても基準値を超える可能性が高い場合に

菜の花やアマランサスなどを栽培しつづけていって長い年月をかけて除染していく方法です。

まず原発事故後の汚染初年度である今できることは

表土を除去することが最も重要であること

そして安全な農作物を作りながら除去した表土を除染していくことが可能であるということを
今回

ふくしま希望市場に出荷されている農家さんから教えていただきました。

ふくしま希望市場に出荷されている農家さんたちの取り組みは

すでにFCT福島中央テレビのニュース番組や 
NHKのあさイチという全国放送の番組でも特集されています。

ふくしま希望市場の農家さんたちの取り組みは

福島の農家さんたちの一つの見本となるのではないかと思います。

これまでに

福島でのひまわりの栽培は汚染の拡大につながる恐れがあるので止めていただきたい、といった内容の
ご意見をいくつかいただいております。

ひまわりを栽培するために

表土に大部分の放射性物質が残された土壌が耕うんされてしまうと
深さ10cm~15cmにまで汚染が広がってしまい除去が難しくなる

というのがいただきましたご意見の主な内容です。

3月からまったく手付かずの状態の畑であれば

6分の1理論と除染システムで農地の再生が図れるのではないかと考えています。

ですので
ひまわりを栽培される前の注意点としては

3月から手付かずの土壌なのか耕うんしてしまった土壌なのかで

ひまわりの栽培方法は変えるべきであると考えています。

また
福島ひまわり里親プロジェクトでのモニタリング圃場での
ひまわりの栽培前の表土除去のやり方につきましても
いくつかご指摘をいただきました。

表土除去を行う際には確実に放射性物質の量を減らすことが大切です。

充分な表土除去を行わないまま耕うんしてしまいますと

放射性物質が土壌中に拡散されてしまう可能性が高いです。

ご指摘をくださいました方には
たいへん貴重なご意見をいただきましたことを
この場をお借りしましてお礼申し上げます。

ありがとうございます。

(メールで返信させていただきましたが受信不可能となっているようで送信できませんでした)

[参考]

【福島原発事故】野菜のすき込み「待って」 放射性物質が残る恐れ 

http://www.47news.jp/47topics/e/202590.php

しかしながら

福島県内の広い範囲の農耕地では耕作制限が解除されてしまい

耕うん作業の後に水稲や野菜の栽培が行われています。

手付かずの農地の多くは
避難区域内と水源が確保できなくなった水田が大半のようです。

耕うんしてしまった農地の除染方法の一つとしてひまわりを活用する場合は
チエルノブイリ型の除染方法となりますので

複数年かけて元の土壌に戻していくことになるのかもしれません。

今回
たくさんのアドバイスをくださいました
ふくしま希望市場 の農家さまにこころから感謝申し上げます。

自分たちは
なんのために「ふくしま希望市場」を立ち上げたのか

そのおもいを聴かせていただいて

たいへん胸が熱くなりました。

志の高いサムライ集団が身近なところにいらっしゃったことに感動いたしました。

このブログの記事にさせていただきました
「6分の1理論」と除染システムについては
ふくしま希望市場に出荷されています農家さまの承諾を得て掲載させていただきます。

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