「感謝の心を忘れない」  会長 鈴木 厚志

教育小冊子より、チームふくしま会長 鈴木厚志の
お話をご紹介いたします。


震災の直後は、だれもが放射能が怖かった時期でした。友人の中には、炊き出しをしたり、避難したりという人も出ました。そんな中で「自分も何かしたい。何かしなければ」という思いがわいてきました。その時に、今の「チームふくしま」メンバーや先輩方から声を掛けられ、活動するきっかけをもらいました。僕一人では、何もできなかったでしょうけれども、仲間が声を掛けてくれたことが大きなきっかけになりました。

私は飲食店を経営しているのですが、震災の時も店を開け続けました。除染作業をしているお客さんが「俺らが除染をするから、あんたらはおいしい食事を出し続けて」といってくれたことや、浜通りから避難されてきたご家族が「二日ぶりに温かいご飯を食べました」「おいしかったよ」と泣きながら言ってくれたことが、今も忘れられません。震災直後に仕事をする従業員の前向きな姿勢もうれしかったですし、飲食人としての仕事の使命も感じました。

福島ひまわり里親プロジェクトへの参加を決め、自分から積極的に関わろうと思った大きなきっかけは、特別なことや大それた目標があったからではありません。震災の前から一緒に活動してきた仲間、日頃からつながってきた人から誘われて、何か一緒にやりたいと思ったからです。身近な人との信頼関係を大切にしたいとも思いました。

プロジェクトを通じて、たくさんのことを学んでいます。

一つには、福島県や全国のたくさんの里親さんへの感謝です。「福島のために」と、汗をかいて種をまき、愛情を持ってひまわりを育て、種を福島に送ってくれています。里親になった子どもたちからのメッセージもたくさん読ませていただきました。純粋で、素直な気持ちがこもった手書きのメッセージを読んでいるだけで、優しい気持ちや思いやりが伝わってきます。僕たちが学ばせてもらっているのです。

プロジェクトを進めるうえでは、身近な人が一番大事な人だということ、小さなことをコツコツやることの大切さを改めて実感しました。そうした体験を通じて、自分がやっていることは大事なことなのだなと、誇りややりがいを感じました。

震災から4年。今年も、全国の里親さんが参加して「ひまわり甲子園」が福島市で開かれました。本プロジェクト、そして参加してくれている里親さんの学校などが次々に表彰を受け、社会的にも評価されてきました。このプロジェクトの力、魅力を感じます。そして、このプロジェクトに取り組む子どもたちが大人になったとき、本当に素晴らしい仕事をしてくれるだろうと楽しみです。

ひまわりの種をまいて育てるということは自分を育てるということ。参加してくれた子どもたちには、「一生懸命取り組む」ということに挑戦してもらいたいと思います。何事も一生懸命やることはで、新しい、知らなかった自分に出会うということでもありますから。

私の夢は、日本中にひまわりが咲いていることです。ひまわりを見た人が「あれは自分が育てたひまわり」と言って明るく元気になることです。今の福島は、子どもたちの人数が激減しています。福島県内の小学生の数は、震災前の平成22年度から比べて19,631人、学級数でいえば611クラス減少しています。(福島県統計課 学校基本調査より)将来、福島県内で労働力不足が起きるかもしれません。

一方で、今福島県に残っている人は、不安と闘いながら生活している。強い人が残っているのではないでしょうか。今、踏ん張れば、10年、20年先、日本で一番最先端の地域になる可能性もあるのではないでしょうか。
そのように考えると、本プロジェクトは福島県内だけでなく、県外に対して強いメッセージ性を持っています。今後も継続し、「だれが見ても応援したくなるよね」「この時期だからこそ続けないといけない」というような社会に対するメッセージを提起していきたい。それこそが、全国から駆けつけてくれる里親さんへの御恩返しになると思います。



◆鈴木会長のインタビュー掲載小冊子はこちら(PDF)
http://www.sunflower-fukushima.com/report/3630.html

◆プロジェクトが一目でわかる映像はこちら
http://www.sunflower-fukushima.com/report/3569.html